返済を続けるか整理するか

ついつい使いすぎてしまってカードローンやキャッシングの返済が負担となってきたときに、借金の整理を考える場合もあります。債務整理を行えば自己破産ではなくても借金の返済計画を立て直し、今後の返済が楽にはなりますが、その代わりに大きなデメリットもあります。

職を失ってしまって収入がなくなった、収入はあってもとても返済ができないほどの借金を抱えてしまったといった場合であれば仕方がありませんが、安定した継続する収入を得ており、今後も返済は何とか遅れずに進められるようであれば、借金を整理するよりも返済を進めた方が良いとも言えます。

もちろん状況等にもよるために一概に返済を続けた方が良いとは言えませんが、借金を整理するメリットとデメリットをしっかりと知れば、簡単に気軽に借金整理をすべきではないと分かるはずです。

借金の整理となる債務整理

返済ができなくなった場合、返済をどうにかしたい場合に用いる借金の整理は、主に自己破産、任意整理、個人再生、特定調停となります。何れも借金の整理となりますが、手続きや内容には大きな違いがあります。

それぞれの手続き内容に関してはここでは省きますが、収入や借金の状況、今後にどのようにしたいかなどによってどの方法による借金の整理を行うかを決めます。例えば、安定した収入を得ていて借金総額もそこまで大きくはなく、今後の返済を軽くしたいといった場合であれば任意整理による借金整理を行うといった形です。

どの方法を用いるとしても当初の契約内容とは異なる返済となるため、信用情報機関には事故情報の記録がされます。これが借金整理における最大のデメリットであり、今後の生活にも影響を与えかねない大きなリスクとなります。

信用情報機関の事故情報の扱い

債務整理による借金の整理を行うと、どの手続きにおいても信用情報機関には事故情報が記録されてしまいます。手続きの内容が記録されるわけではないのですが、借金を整理する際には一定期間は手続きや話し合いのために支払いをストップするため、長期に渡る返済の滞納として事故情報、ネガティブな情報が記録されます。

記録がされたネガティブな事故情報は対象となる債務を完済してから5年を超えない期間は残り続けるため、例えば大体は3年で借金を完済する計画となる任意整理を行った場合には、任意整理がスタートする時点から合計で8年間を超えない期間は事故情報が残り続けてしまいます。

債務を完済した時点で事故情報が消えるのであれば借金整理のデメリットもそこまで大きくはないのですが、完済後も5年間も残るとなるとさすがにデメリットが大きいと言わざるを得ません。合計で8年もの期間があると生活も大きく変わる可能性があるため、借金整理をするならその期間は信用情報に問題を抱えることになるとしっかりと認識、覚悟をしておかなければなりません。

既に返済が長期に渡って遅れているなら同じ

借金整理のデメリットが大きいからと言って、長期に渡って返済が遅れている債務を遅れながらに支払っているとすれば、それは利息と遅延損害金の無駄ともなります。借金を整理する債務整理をしていないとしても、既に長期に渡って返済が遅れていれば信用情報機関には事故情報が記録されてしまっている可能性が高いのです。

8年もあれば生活は変わる

今は独り身で自由にお金が使えているとしても、8年後には生活はどうなっているかは分かりません。結婚をして子供が産まれている可能性もあり、転職をしたり引っ越しをしたりといった場合もあるでしょう。

信用情報機関に記録される事故情報の影響がカードローンやキャッシングなどの現金の借り入れだけに留まれば良いのですが、実際には住宅ローンやマイカーローン、その他の信用情報が関わる保証審査の際にもどうしても影響を及ぼしてしまいます。

結婚をして子供が産まれ、それを機にマイホームを購入したり建てたりといった計画があるとしても、信用情報に問題があれば住宅ローンは組めません。また、転職をした先でクレジットカードを作るとなっても同様で、引っ越しの際に信販系の保証会社を利用する契約となる賃貸マンションであれば、信用情報機関に事故情報があると保証が受けられず、マンションの契約が行えなくなってしまいます。

その他にも車が故障をしてしまって買い替えるとなっても、マイカーローンの審査に通らずに現金で買える範囲の古い中古車しか手が出せなくなってしまうなどの可能性もあります。

何かと影響の大きな信用情報

信用情報に問題があると、実生活にも大きな影響を与えてしまったり不利益を被ることとなります。カードローンやキャッシングなどによる借金ができなくなるのは良いとしても、クレジットカードの作成ができないといった面では非常に不便となってしまいます。

クレジットカードが作れなければETCカードすらも持つことができず、パーソナルカードなどの別の方法で用意をしなければならなくなります。生活費を含む各種支払いも全て現金や銀行振り込みで行わなければならないので、ネット通販での決済も手間がかかります。

また、銀行でのカードローンで問題を起こしてしまうとその銀行での今後の口座開設ができなくなる場合もあるなど、信用情報以外の面でも借金整理が与える影響は大きいです。そうならないように借りすぎないのが一番ですが、借金が増えてしまった場合であってもデメリットを知れば、簡単には借金整理をすべきでないのが分かります。

デメリットや影響は細かく説明はしてくれない場合も

弁護士や司法書士も商売であり、競争であるため、借金整理のメリットばかりを強調しているところもあります。デメリットや今後の生活に与える影響までは細かく説明はしてくれない場合があるので、自身でしっかりと借金を整理する際のメリットと対するデメリットのバランス、そして今後の生活に与える影響を考えなければなりません。

事故情報を抱えて暮らせるか

借金の整理を行えば、自己破産であれば今後の支払いは必要なくなり、その他の手続きであっても利息が免除されたりと今後の返済負担は大幅に軽減されます。しかし、その代わりの信用情報の大きなデメリットがあるため、事故情報を抱えて生活ができるかといった部分が問題となります。

事故情報を数年間も抱えて生活はしたくない、今現在の返済は何とかできているといった場合であれば、無理に借金の整理をするのではなく返済の負担が減らせる方法を考えてみるべきです。多くの借り入れで返済負担が大きくなっているのであれば、例えば一本化をするおまとめローンでの借り入れができないかなどです。

金利負担が軽い低金利のカードローンやフリーローンでのおまとめローンであれば返済負担が今よりも大幅に軽減される可能性があり、余裕を持って完済が目指せるようにもなります。余計な利息の支払いも低金利での借り入れであれば抑えられるので、まだ返済が正常に行えている、安定した収入があるといった方は、おまとめローンから考えてみるのも良いでしょう。

おまとめローンは借金の整理ではないため、正常に返済を進めている限りは信用情報にネガティブな事故情報が記録されることはありません。ただ、整理ではないので利用の際には正常な返済が行えていなければならず、既に返済が遅れているといった場合にはおまとめローンの利用はできません。

返済ができなければ仕方がない

返済がまだできているならおまとめローンによる一本化や、金利負担の軽いところへの借り換えで返済が余裕を持って進められるようになる可能性がありますが、既に返済ができなくなっているのであれば借金の整理をするほかありません。

返済ができなくても借金整理のデメリットが大きすぎるからとそのままにしていると、いつまで経っても借金の情報が残り続け、債務の完済ができないために信用情報における事故情報も残り続けてしまいます。

事故情報は記録されたときから5年を超えない期間ではなく、完済をしてから5年を超えない期間です。つまり、いつまでも完済がされないと事故情報の保有期限は引き延ばされ続けてしまうため、返済ができないならなるべく早めに完済ができるように、片付けられるように借金の整理を行う必要も出てきます。

本来はそのようにして慎重に行うべきである借金の整理も、最近では妙に身近に手軽に行ってしまっているイメージがあります。借金の整理自体は弁護士や司法書士に依頼をすればたしかに難しいものではありませんが、だからと言って深く考えずに進めてしまうとその後に抱える大きなデメリットで後悔をすることともなるのです。

メディアでの弁護士の露出の増加などにより、一昔前は何だか難しくハードルが高く感じられていた弁護士への相談や依頼も身近になりました。しかし、だからと言って気軽に依頼をすべきではないので、依頼を行う際には相談時にしっかりと確認を、慎重に判断をするようにしてください。

おまとめローンのデメリット

毎月の返済も何とか行えている場合にはおまとめローンで返済が軽くできる、完済へ向けた返済が進められるようにもなりますが、おまとめローンにもデメリットがあります。

カードローンでのおまとめローンだと今後に返済をした分を再び借りられてしまうので、結局は借金の癖が抜けきらずにいつまでも返済が終わらない可能性がある点と、おまとめローンとは言っても借金であるため、当然ながら利息負担が発生する点です。

また、司法書士事務所によってはおまとめローンによって過払い金の請求ができなくなるといったことをデメリットとしている場合がありますが、グレーゾーン金利が撤廃され上限金利がしっかりと定められた2010年の6月18日以降に作った借金に関しては、消費者金融での借り入れであるとしても過払いは発生しないためにデメリットにはならない点に注意が必要です。

おまとめローンで過払い請求ができなくなるのは古い話で、ここ数年の間に作ってしまった借金であれば関係がありません。弁護士や司法書士の言ってみれば集客のための謳い文句に惑わされないように、自身でしっかりとメリットとデメリットを判断するようにしてください。

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